ショートショートっていいですよね!サクッと読めて、一瞬でその世界観に引き込まれて、何とも言えない読後感があって・・・。
今回は「ショートショートの缶詰」という本を読んだのですが、こちらはいろんな作者のショートショートの詰め合わせ。
編集者である田丸雅智さんが
古典の名作から現代の傑作まで、折に触れては読み返す、自分にとって創作の原点ともなっている秘蔵の作品たち
と称する、素敵な物語の缶詰です。
ショートショートの缶詰 お気に入りベスト3
折角なので、ここではこの本の中でお気に入りのショートショートをいくつかご紹介。ショートショートの面白さを損なわないよう、ネタバレは避けています。
第3位 『ぺ』(谷川俊太郎)
谷川俊太郎といえば、小学校の国語の教科書にも出てくるほどの詩人。そんな人のショートショートが、ふと手に取った本に載っていた時の衝撃たるやなかなかのものでした。
しかもタイトルが『ぺ』。で、その名のとおり『ぺ』についての話。
意味が分からないんだけど、読み終えるとなんとなく「あーそういう感じか~」と理解できるような、できないような、そんな不思議な作品でした。
第2位 『固い種子』(泡坂妻夫)
最近なぜか、種子の固い植物が増えた という話。個人的に、こういうブラックユーモア全開のお話大好きなんですよね~!ものの数ページに面白さがぎゅっと詰まっている感じがします。
この話もそうですが、最後の1行までどんでん返しを引っ張るタイプのショートショートが好きです。
ちなみに作者の泡坂妻夫(あわさか つまお)氏はペンネームで、本名「厚川昌男(あつかわ まさお)」のアナグラムだそうです。
うーん、なるほど。
第1位 『鍵』(星新一)
ベタすぎる気もしますが、やっぱり星新一がぶっちぎりで面白いです。本書の冒頭、「はじめに」の書き出しも
ショートショートといえば星新一。そんなイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
という書き出しから始まるぐらいですからね。
ただもちろんそのネームバリューだけでなく、ショートショートの面白さも抜群。話は、外で鍵を拾った男性が、その鍵に合う鍵穴を探すストーリー。アッと驚く強烈なオチはないですが、それでも結末がスッと心に入ってくるような、何とも言えない読みやすさが魅力です。
星新一はショートショートの第一人者であることを再確認しました。とはいえいろいろな作者のショートショートを読むことができ、それぞれ個性もあってとても面白かったです!ちなみにベスト3には入りませんでしたが、『雪国』でおなじみの川端康成のショートショートも掲載されています!