最近はウイスキーも人気が復活してきており、これまでのBARでグラスを傾けて、というだけでなく居酒屋でも気軽に飲まれるようになりました。気軽に飲まれるようになったウイスキーにも沢山の種類があります。
意外と知られていないウイスキーの種類による違い。ここでは、その中でもよく飲まれるスコッチウイスキーとバーボンウイスキーの違いについて書いていきたいと思います。
スコッチウイスキーとバーボンウイスキーの違いとは
まずはまとめから。下の表を見ていただくと、両者は似ているようで異なるものであることがご理解いただけるかと思います。1つずつ細かく見ていきましょう。
スコッチウイスキー | バーボンウイスキー | |
1.産地 | スコットランド | アメリカ |
2.原料 | 大麦 | トウモロコシ中心 (大麦・ライ麦等も含む) |
3.製法 | 単式蒸留 | 連続式蒸留 |
4.熟成期間 | 使用済の樽で平均10-18年 | 新樽で平均4-6年 |
1. 産地
スコッチウイスキーはその名の通り、スコットランドで製造されているウイスキー。
一方バーボンウイスキーは、アメリカ・ケンタッキー州を中心に生産されています。1789年、エライジャ・クレイグ牧師によって作られ始めたのが最初といわれています。
ちなみに牧師の名前を取った「エライジャ・クレイグ」という名前のバーボンウイスキーも実在しています。
2.原料
スコッチウイスキーもバーボンウイスキーも同じウイスキーですが原料が異なります。スコッチウイスキーのメインとなるモルトウイスキーは、大麦が原料となります。
対してバーボンウイスキーの原料は、51%以上がトウモロコシ。残りを大麦やライ麦、小麦などで構成しています。
3.製法
スコッチウイスキーのモルトウイスキーは、単式蒸留器で2回~3回蒸留します。アルコール度数を94.8%以下にして蒸留させるのが特徴です。
一方バーボンウイスキーは、アルコール分80度未満で連続式蒸留器で蒸留します。「サワーマッシュ製法」と呼ばれる製法を用いることでも有名。これは原料を湯に浸し、残った残骸も一緒に混ぜて蒸留する製法です。こうして出来た蒸留液がサワーマッシュと呼ばれ、このサワーマッシュの1/4ほどを発酵槽に戻して次回ウイスキーを作る際に使用する製法です。
温暖な気候なケンタッキー州では、このサワーマッシュ法はバクテリアの繁殖を防ぐためにも有効な方法のようです。
4.熟成方法
ウイスキーは蒸留したのち樽で熟成させます。蒸留後のウイスキーは透明色であり、樽から染み出た色によりウイスキーは琥珀色となります。熟成に伴い、アルコールの刺々しさが薄れ、樽の影響を受け香りや味わいに深みがでてくるわけですね。
スコッチウイスキーは、3年以上の年月をオーク樽で熟成させることが法律で決まっています。シェリー酒・ワイン・バーボンなどで使用した使用済の樽を使うことで、以前熟成していたお酒の味わいが加わり、スコッチウイスキーの味わいに複雑さを増し、香り豊かなウイスキーに仕上がります。
使用済みの古樽を使用することから、スコッチウイスキーの方がバーボンウイスキーに比べて熟成期間が長くなることも特徴の一つです。基本的なモルトウイスキーで10年~18年程熟成します。
バーボンウイスキーは、樽での熟成は必要ですが期間については定められていません。樽はホワイトオークの新樽を使用します。
ホワイトオークの特徴はバニラやココナッツなどの甘い風味を生むことです。そんなホワイトオークの内側をバーナーで焦がしてさらに独特の風味をつけます。
基本的なバーボンウイスキーは、4年~6年の間熟成しています。なお、2年以上熟成をさせたものを、ストレートバーボンと呼びます。