日本で老若男女問わず人気のリキュール、ZIMA(ジーマ)。コンビニやスーパーで手に取ったことのある方も多いのではないでしょうか。しかしこのZIMA、元々はビールの一種だったんです…!しかもその人気は日本特有。
そんな不思議なお酒、ZIMAの謎に迫ります。
目次
基本情報
種類…リキュール
度数…4.5%
製造・販売…モルソン・クアーズ・ジャパン株式会社
ZIMA(ジーマ)の当初コンセプトは「透明なビール」
アメリカで起こった「透明ブーム」
1992年頃から、清潔・ヘルシーといったイメージを求め、アメリカでは「透明(クリア)ブーム」が流行。ペプシコ社とコカ・コーラ社それぞれが、透明なコーラを販売開始したことでも話題になった時代でした。
クリスタル・ペプシ(ペプシコ社) | タブクリア(コカ・コーラ社) |
そんな流行に乗って、「ビールも透明にしてしまおう!」ということで登場したのが、クアーズ社の「ZIMA(ジーマ)」だったのです。
元々は「発泡酒」
そんなわけで、ZIMAのルーツはビールにあります。ビールをろ過して色・味を抜き、シトラス系の味をつけ直すことで、ZIMAは作られました。こう聞くと、もうビールとはまるで別物のように感じますが、一応原材料には麦を含んでいました(全体の1/4程度)。
そのため、日本の酒税法では「発泡酒」に分類されるわけですね。発泡酒にも拘わらず無色透明、という、とても不思議なアルコールでした。
ちなみに、パッケージがよく似たお酒に「スミノフ」がありますが、こちらはウォッカをベースにしたカクテル。ルーツが全くの別物です。
2008年 アメリカ国内で販売終了
しかしそんなZIMAは、アメリカでの評判はイマイチ。その飲みやすさが、逆に「女々しい酒」というイメージにつながってしまったことが原因とされています。
ブランディングに失敗したZIMAは、だんだんと売り上げを落としていきます。そしてとうとう2008年には、根強いファンに惜しまれつつ、クアーズ社はアメリカでの生産終了を決断したのです。
ZIMA(ジーマ)はリキュールとして復活
日本での販売は継続
アメリカで販売終了となったのちも、日本国内ではZIMA販売を継続。生産国をアメリカ→中国→ベトナムと変えながら、今のボトル・ロゴが確立されていきました。
またその過程で、製法も見直され、果実酒ベースのリキュールにカテゴリされるお酒へと変化していったのです。
日本国内の人気は、PR成功のおかげ
そんなZIMAも、日本で販売開始となった直後はなかなか普及しませんでした。
国内でブームのきっかけとなったのは、ほかでもない広告施策。テレビCMだけでなく、口コミを呼ぶようなキャンペーンを多く展開しました。
KISS A ZIMAの衝撃
ZIMAのキャンペーンの中でも一番衝撃だったのは、2010年4月より開始した「KISS A ZIMA」でしょう。
「ZIMAの味はキスの味!」と定義し、有名人の唇の型を取って、それをおまけとして商品に付属。木下優樹菜・水上剣星・手島優・木口亜矢・中村悠斗らとキスしている感覚が味わえる!?とのことで、世の中を騒然とさせたのも記憶に新しいのではないでしょうか?
こうしたキャンペーン・CMの甲斐あって、日本ではおしゃれで楽しいお酒として定着。アメリカの事例を反面教師として、見事ブランディングに成功したわけですね!