どこのガソリンスタンドでもみかける、「ハイオク」「レギュラー」の表記。
何の気なしに「レギュラー満タンで!」などと注文している方も多いのではないでしょうか?
そこで今日は、実は一歩間違えると大事故につながる、ガソリンの豆知識として、ハイオクとレギュラーの違い、またハイオクのほうが値段が高い理由をお伝えしたいと思います。
目次
ガソリンで車が走る仕組み
まずは、いわゆるガソリン車が走る仕組みをご紹介。
ガソリン車は、その名のとおりガソリンを燃料としていますが、より具体的には、ガソリンが燃えるときに生じるエネルギーを動力としています。
車のアクセルを踏むと、その分エンジンに空気が入ります。
そして空気を得たガソリンが発火して燃焼し、その衝撃をエネルギーとして取り出すことで車が前に進む、というわけです。
ハイオク は、「ハイ・オクタン」の略
さて、それではハイオクとレギュラーの違いについてみていきましょう。
まずはハイオクについて。
そもそもハイオクとは「ハイ・オクタン」の略であることをご存知でしょうか?
オクタン価とは
Wikipedia「オクタン価」のページには、以下の通り記載されています。
オクタン価(オクタンか)とは、ガソリンのエンジン内での自己着火のしにくさ、ノッキングの起こりにくさ(耐ノック性・アンチノック性)を示す数値である。
オクタン価 – Wikipedia
なんのことやら…という感じですね。一つずつ見ていきましょう。
オクタン価と、ガソリンの自己着火しにくさ
これは、オクタン価が高いガソリンほど発火しにくい(引火点が高い)ということです。
※燃えにくいわけではない点にご注意!発火後は、ハイオク・レギュラーとも同じように爆発します。
オクタン価と、ノッキングの起こりにくさ
ノッキング(異常燃焼)とは、ガソリンが自然発火してしまうこと。エンジン側からすると、意図せずガソリンが燃焼してしまうと、それをエネルギーに変えることができません。
オクタン価が高いガソリンのメリット
さて、「ガソリンの自己着火しにくさ」「ノッキングの起こりにくさ」は、いずれも「ガソリンが自然発火しにくいかどうか」によるということがご理解いただけたかと思います。
これは車の構造視点で考えると、「狙ったタイミングで発火させやすい」ということにつながります。意図しない発火が少ない分、オクタン価が高いガソリンのほうがガソリンの発火に伴うエネルギーを、効率的に利用することができるということですね。
つまり車でいえば、アクセルを踏む力が車の動力に伝わりやすい ということです。
ハイオクガソリンのオクタン価が高い理由
ハイオクとして売られているガソリンは、添加物等を入れて人為的にオクタン価を高くしています。その際、併せて洗浄剤なども入れることで、ガソリンの燃えカスを除去することもできます。
ハイオクがレギュラーより値段が高い理由
前述のとおり、ハイオクガソリンは添加物・洗浄剤を入れて意図的にオクタン価を高くしています。こうした手間がかかっている分、ハイオクのほうがレギュラーより割高となっています。
ハイオク車にレギュラーガソリンを入れるとどうなるの?
レギュラー車にハイオクガソリンを入れるとどうなるの?
いずれもお勧めしません。
ハイオク車はハイオウガソリン、レギュラー車はレギュラーガソリンを前提として設計されているためです。
特にハイオク車にレギュラーガソリンを入れた場合。
発火しにくいガソリン(ハイオク)を前提として設計された車に、発火しやすいガソリン(レギュラー)を入れるわけですから、ガソリンの自己着火・ノッキングが起こる危険性が高まります。
ガソリンの値段だけに惑わされず、エンジンに合ったガソリンを入れるようにしましょう。
おまけ:ガソリンと軽油の違いとは
ガソリン・軽油とも原料は石油で同じ。しかし沸点が全く異なります。
より具体的には、軽油のほうがガソリンよりも高温でないと燃えません。
したがって、ハイオク⇔レギュラー以上に、軽油は別物だと考えていただければと思います。